最高裁判所第二小法廷 昭和24年(ク)54号 決定
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(要旨)
借地借家調停事件において、調停〓代え家屋の明渡を命ずる裁判がなされた場合、その裁判により借家人は憲法第二二條第一項の保障する居住、移轉及び職業選擇の自由が侵される旨の主張は(右調停法規自體の違憲を主張するは格別)單に右調停法規の解釋の適否を爭う主張たるに過ぎず、特別抗告の適法な理由とはならない
(事實)
本件相手方は係爭家屋を自ら使用することを必要とする事由ありと主張し、抗告人を相手方としてその明渡を求める訴を提起し勝訴したところ、控訴裁判所は職權を以て事件を調停に付し自ら調停をなし、調停が成らなかつたので、調停に代え抗告人に對し係爭家屋の一部の明渡等を命ずる决定をした。右决定の抗告審たる原審は、抗告人に對し更に明渡部分を擴張して明渡すべき旨の决定をなし、これに對し抗告人から特別抗告を申立てたのが本件である。その抗告理由の要旨は、原决定は單に相手方の申立のみを根據として明渡を命じたものであるから、憲法二二條一項の保障する居住、移轉の自由を侵害するものであり、且もし原决定に從い明渡をなすときは、抗告人が現に右明渡部分を事務所として營業中の鑛山業の經營が不能となるから原决定は右條項の保障する職業選擇の自由をも奪うものであるというにあつた。(靑山義武)